音大生のキャリア紹介:ピアニスト&ピアノ講師 植野愛さん

★【写真】植野さん_演奏風景桐朋「子供のための音楽教室」、桐朋女子高校音楽科を経て、桐朋学園大学音楽学部ピアノ科卒業。1999年ポーランドクラクフ室内管弦楽団と共演。第16回日本クラシック音楽コンクール全国大会入選、ロゼピアノコンクール2007第2位、第12回ペトロフピアノコンクール奨励賞受賞、第29回コンセールヴィヴァン新人オーディション合格。2013年、第8期静岡音楽館AOI「ピアニストのためのアンサンブル講座」を受講、ピアノ伴奏法を学ぶ。現在、後進の指導にあたる他、伴奏活動やコンサートの企画・開催等、幅広く行う。

ミュージックメイト(以下、MM):本日はお忙しい中お時間を頂きまして、誠にありがとうございます。植野さんはWキャリア研修プログラムでパソナにご入社された後、今では音楽家としてご活躍されていらっしゃいます。そんな植野さんの働き方は、音楽大学に通う学生さんにとても響くのではと思い、この度インタビューをお願いさせていただきました。本日はどうぞ宜しくお願いいたします。

植野さん(以下、植野):ありがとうございます。どうぞ宜しくお願いいたします。

MM:早速ですが、簡単に植野さんのご経歴を教えて頂けますか?

植野:私は、高校から音楽高校のピアノ科に通い、そのまま音楽大学に進学しました。大学を卒業するタイミングでパソナ ミュージックメイトに出会い、パソナで3年間就業した後に、現在は演奏活動とピアノ講師の仕事をフリーランスの形で行っております。

 

ピアノ講師と演奏活動の両立


MM:音楽講師は、楽器店主催の音楽教室とご自宅で開講した教室と、今も両方やっていらっしゃるのですか?

植野:はい。今も楽器店と自宅の教室で半々くらいやっています。だいたい週5日~6日くらいですね。

MM:週6日も教えているのですか!?

植野:週6日といっても1日フルで教えているわけではないんです。平日だと、1日3、4人の日もあります。

MM:演奏の仕事は、ご自宅ないしは楽器店の講師として、生徒さんをレッスンされた後に入るのですか?

植野:そういう場合もありますね・・・。ただ、自宅の教室はレッスン回数を年間40回にしているので、月によってはレッスンをしない週もあるんです。演奏の依頼は前の月に確定するものが多いので、演奏依頼が入っていない日程でレッスンスケジュールを調整しています。

MM:なるほど・・・!

植野:生徒さんのご理解があってこその働き方だと思っています。大変感謝しています。

MM:演奏のお仕事は月にどれくらいあるのですか?

植野:今月は6本ありますが、少ない時は2~3本の月もあります。収入にすると、演奏1に対してピアノ講師は4くらいです。演奏メインの方に比べたら少ないのですが・・・。

MM:音楽教室の仕事をしながら、月6本も演奏の仕事を持つのは本当に大変ですよね・・・!!2~3本だってすごいと思います・・・。ちなみに、演奏のお仕事はどんなものがあるのですか?

植野:伴奏のお仕事が多いです。フルートやヴァイオリンの方からイベント演奏での伴奏をご依頼頂くこともあれば、最近はレッスンやコンクールでの伴奏依頼も定期的に頂けるようになりました。

MM:そういった依頼はどういうところから入るのですか?

植野:私は自分のホームページを持っているので、伴奏の依頼も自宅のピアノ教室の生徒さんも、そこから来る方が多いです。

★植野愛さん オフィシャルHP★
植野愛「登戸のピアノ教室 love piano♪」

http://aiueno-love-piano.jimdo.com/

MM:パソナをご退社されてすぐご自身で立ち上げられたHPですよね・・・!!HPを拝見した時は大変感激しました!

植野:ありがとうございます。

 

音楽で“稼ぐ”意識


MM:植野さんはパソナに入社する前から、いずれは音楽家として生計を立てたいというビジョンをしっかりと持っていらっしゃった印象です。そんな植野さんが、なぜ一般企業であるパソナで働くことを選んだのですか?

植野:早い段階で、音楽で食べていくのは難しいことだと気づいてしまったからでしょうか・・・。(笑)私は元から、音大を卒業した後は“自立した生活を送らなければ”という気持ちが強いタイプだったと思います。しかし、高校2~3年生の頃、ふと周りの先輩方を見てみると、意外に音楽だけでは食べていけてない、もしくはそもそも音楽で「お金を稼ぐ」という意識がないように感じてしまったのです。とはいえ、音楽の仕事は歩合制だったり紹介料が取られたり・・・と不安定なことが多いのも事実です。それならば個人事業主として全て1人で出来るようになれば音楽の仕事だけでも生活できるのでは、と思い、ビジネスや社会の仕組みを勉強したいと思ったのがパソナに入社した時の思いでした。

MM:学生の頃から、そこまでしっかりと将来のことを考えられるのは素晴らしいです・・・!「音楽を仕事にする」って、社会人経験のない学生さんにとってはわかるようでわかりづらいことだったのではないですか?

植野:そうですね・・・。私の場合は、大学生の時に何回か演奏の仕事を経験させて頂いたことも大きかったと思います。やはりそこで、受身なだけでは音楽で食べていくのは厳しいな、と感じました。じゃあ音楽を“商売”にするために、ビジネスの仕組みや経営を学ばなければ、と。

MM:パソナ ミュージックメイトのWキャリア研修プログラムとはいつ頃出会ったのですか?

植野:大学3年生のときに、母校で開催された学内説明会がきっかけでした。音楽を続けながらビジネスも学べるっておもしろい!と思って、早速パソナの社内説明会にも参加しました。・・・が、当時3年生だったので「4年生になるまで待ってください」と言われ(笑)、来年には絶対受けよう!と思いました。自分の年のイベントや説明会情報を取り逃さないように、アンテナを張っていたのを覚えています。

 

会社員の立場で演奏活動を続けるということ


MM:植野さんは、1度掴んだチャンスは絶対逃さないですよね!その(おっとりとした)お人柄からはまったく想像がつきませんが・・・。(笑)パソナにご入社された後も、貪欲に音楽活動をつづけていらっしゃいました。

植野:確かに、パソナに入社して1年目の時は、平日はパソナでお仕事をして、土曜日は母校の音楽教室の講師をしていました。また、頂ければ演奏の仕事もなるべく入れるようにしていたので、結構ハードでしたね。

MM:仕事が忙しいから、音楽活動のボリュームを減らそうとは思わなかったのですか?

植野:思わなかったですね!むしろ、パソナで働くことで安定した収入を得られているからこそ、お金になるならないに関わらず音楽の仕事を引き受けることができました。今は、演奏や音楽の仕事=収入なので、そんな悠長にはいられませんし、パソナ時代にたくさんの音楽の仕事が経験できたからこそ、今音楽の仕事を選ばなければいけなくなった際も、しっかりと判断できる基準ができました。

MM:傍で植野さんの仕事ぶりを見ていると、絶対に大変だし苦労されているはずなんですよ。でも、仕事中はまったく顔に出さずに、ちゃんと仕事の成果も出されている。音楽も仕事もどちらも絶対におろそかにしない姿勢は、先輩・後輩関係なく、本当に尊敬していました。ちなみに、もともと体力はある方ですか?

植野:体力はあります!(笑)また、私は“やりたいと思ったことはやろう!”と思っているんです。だから、音楽も仕事も死に物狂いでやりました。でも、そんな気持ちで突っ走ってしまうので、失敗することもあるし、落ち込むこともたくさんあります。

 

失敗から学んだこと、そしてその先へ・・・


MM:今までにご自身で感じた失敗で、記憶に残っているものはありますか?

植野:本当にたくさんありますが・・・・、社会人1年目で母校の音楽教室の講師採用に落ちてしまったことでしょうか。パソナに入社して1年間は、土曜日に講師として子供たちに教えていたのですが、社会人1年目を終えるタイミングで正式な講師に上がるための試験を受けたんです。けれど、パソナの仕事と演奏活動と音楽教室の3つの仕事をしていた中で、「教える」ということへの深堀が足りず、採用試験を通過することができませんでした。当時は、仕事全体を徐々に音楽教室メインにシフトしていきたいと思っていただけにショックでしたね。

MM:結果が出た当時、いつもは明るい植野さんが、暗い顔をして出勤していたのを覚えています・・・。

植野:(笑)でも今思えば、1年間とはいえ、母校の音楽教室で培ったスキルが今生徒さんにピアノを教える際に役立っていると強く感じています。むしろ、今は子供から大人まで様々な生徒さんがお越しくださっているので、色々な面からピアノ指導を捉えることができ、大変勉強になります。

MM:“やりたいと思ったことはやろう!”の精神だからこそ、失敗もあるでしょうし、またそこからたくさんのことを学ぶ機会が与えられるのですね。ちなみに、植野さんは立ち直りは早い方ですか?

植野:いや・・・。へこむ時は本当にへこむので、自分は立ち直りが早いとか精神力があるなどは感じたことはありません。ただ・・・、ひとしきり落ち込んだ後は“次の行動”を起こしていますね。

MM:・・・というと?

植野:たとえば、社会人2年目のときにある音楽大学大学院の伴奏科の試験を受けたことがありました。けれどそれもうまくいかなかったんです。でも、「伴奏を勉強したい!」という気持ちがあったので、他の方法はないかな?と探したところ、1年間で座学やアンサンブルレッスンを通して伴奏法を学べるセミナーを発見したんです。こんな形もいいな、と思い受験しました。

MM:そうでしたね。1年間の伴奏セミナーはとても充実した内容で、かなりハードなものでしたね。植野さんは“こうしたい・こうありたい”という意志がしっかりとしているからこそ、万が一うまく行かなかったとしても、前向きに次の手を考えることができるのですね。

 

音楽家に必要な“社会人としてのスキル”


MM:3年間パソナで就業された後、植野さんは個人事業主としての道を選択されたわけですが、今のお仕事や生活にパソナでの経験が活きていると感じることはありますか?

植野:本当に、全部活きていると感じます。小さいことで言えば、生徒さんやご家族の方とのやり取りひとつ取っても、社会人としての経験があったからこそ「これで大丈夫だ」と自信を持てますね。また、パソナでは演奏会の奏者アテンドやイベント企画などをさせて頂く機会があったので、演奏会の“裏”でどんな仕事があるのか経験できたことは大きかったです。現在、演奏のお仕事を頂いた際に、様々な方の立場を理解した上で、対応出来るようになりました。

MM:ご自宅でのピアノ教室立ち上げの際も、チラシを作って営業活動されたとか・・・?

植野:自分で作ったチラシの配布をポスティング業者さんに依頼したり、また近所のカフェなどに行って教室のチラシを置いていただけないか頼んで回ったこともありました。

MM:緊張しませんでしたか?

植野:お願いするときはドキドキしますよ!でもそこは、パソナの新人研修でやった“営業研修”の経験が役立ちました。あの飛び込み営業で、初対面の方への精神力は相当鍛えられましたね。(笑)

 

今、学生の皆さんへ伝えたいコト


MM:しっかり学んでくださって、本当にありがとうございます。(笑)そんな植野さんに憧れる学生さんは多いと思います。植野さんのような働き方をするためには、どのような意識や経験を持った方がいいと思いますか?

植野:目先のことではなく、“将来どういう風に仕事をしたいか”をまず考えた方がいいと思います。将来の目標をしっかりと定めた上で、そこまでのステップも決めるべきだと思います。会社員として働きながら音楽活動をすることは決して容易なことではないです。正直、本当につらいときもありますが、まずそこでめげるな!と言いたいです。「自分の目標のためにはこういったスキルが必要で、このスキルは絶対に音楽家としての人生にプラスになるものだ」と意識して会社員としての仕事にも取り組んで欲しいと思います。ただ、“期間を決める”ことは大事ですね。いつまでにこの勉強をして、いつからはこの方向で生きていくというスケジュールを具体的に持っていたほうがいいと思います。そして音楽家としての目標を達成するまでは、音楽への情熱を決して忘れないことです。

MM:植野さんが仰るからこその、力強さや説得力を感じます。最後に、学生のうちにやっておいた方がいいと思うことはありますか?

植野:勉強できることはする、やりたいことはやる!という気持ちを持って、どんなことにもチャレンジして欲しいです。また、学生のうちに音楽を使った仕事を経験してみるのもいいと思います。ボランティアではなく、小額でかまわないので必ず報酬をもらえるような仕事だといいですね。“お金をもらって音楽をする”という経験を持つことで、大学卒業後のイメージもしやすいのではないでしょうか。また、音大の方は大学院への進学や海外への留学など、“学びの期間”が長い方が多いと思います。素晴らしいことではあるのですが、学生でいるうちは“守られた空間”でしかないです。たとえ音楽関係の仕事でなかったとしても、まずは1回きちっと働くことで見えるものもあるんじゃないかと思います。

MM:植野さんのように、働きながらでも音楽の勉強はできますし、1度働いてお金を貯めた上で海外の音大へ留学される方もいらっしゃいますよね。本日は、大変貴重なお話をありがとうございました!植野さんを魅力をますます感じた1日でした。これからも引き続き、宜しくお願いいたします。

植野:こちらこそ、誠にありがとうございました。今後ともどうぞ宜しくお願いいたします。

☆今後の演奏会情報はこちらから!☆
 ~植野愛さん公式ブログ~
http://s.ameblo.jp/lovepiano0314/

 

ご自宅のピアノ教室での指導風景♪

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東京ミッドタウンでのFl.×Pf.デュオ♪

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ショッピングモールでのピアノ連弾♪

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2015年06月09日 | Posted in キャリア紹介 | タグ: No Comments » 

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