音大生のキャリア紹介:大学職員×作曲家 平泉奏さん①

IMG_3422秋田県出身。洗足学園音楽大学作曲専攻音楽・音響デザインコース卒業。これまでに作曲を延原正生、渡辺俊幸、毛内彩子、三上直子の各氏に師事。クラシックや現代音楽を中心に、映像音楽等について学ぶ。
第18回朝日作曲賞(吹奏楽)ファイナリスト。第5回TIAA全日本作曲家コンクール(ソロ部門)入選。2011年、フィンランドにてリエクサーブラスウィークに招待団体の指揮者として参加。現在、㈱ウィンズスコアよりアンサンブル楽譜が発売中。洗足学園音楽大学職員。

ミュージックメイト(以下、MM):本日は、音楽大学で職員として働きながら、作曲家としても活躍中の平泉奏さんにお話しをお伺いします。平泉さんは、今は洗足学園音楽大学の職員として働かれていますが、前職は株式会社パソナでミュージックメイト担当として働いていらっしゃいました。パソナ時代には大変お世話になった平泉さんに、本日インタビューの機会を頂けて大変嬉しいです。どうぞ宜しくお願いいたします。

平泉さん(以下、平泉):お久しぶりです。宜しくお願いいたします。

MM:まず、現在のお仕事や音楽活動について、教えてください。

平泉:現在は、母校である洗足学園音楽大学の入試センターという部署で働き、仕事を終えた後や休日の時間を使って作曲や編曲の仕事をしています。

MM:まさに、弊社が提唱している「Wキャリア(お仕事と音楽の両立)」を実践されているのですね!差し支えない範囲で、洗足学園音楽大学での入試センターのお仕事内容について教えて頂けますか?

平泉:入試センターでは、大学の入学試験の運営や受験対策イベント、また高校生や保護者の方向けに洗足学園音楽大学の魅力をお伝えする広報のような仕事をしています。どちらかというと、私は広報の仕事を多く担当しているので、神奈川県や東京都内をはじめとする全国の高校を回り、洗足学園音楽大学をPRしています。そこで出会った学生さんの悩みを聞いたり、進路相談にのることもあるんですよ。

MM:入試センターの中でも様々な仕事があるのですね!入試センターでやりがいを感じる瞬間はどんなときですか?

平泉:やはり、彼らから入試合格の報告をもらったり大学の入学式で再会できたときですね。当校を希望して下さる学生さんのために何か自分がお力になれることがあればと思い、お話しさせて頂いています。

MM:全国にご出張しつつ、学生や保護者の方と真摯に向き合われている平泉さんですが、音楽活動も積極的に行っていらっしゃいますよね。最近はどのような活動をされていらっしゃるのですか?

平泉:どなたかから依頼を頂いて、作曲・編曲をすることが多いですね。依頼は学生の方や大学時代にお世話になった先生のご紹介、もしくはまったく初めてご連絡頂く方まで様々です。去年の話になりますが、秋田県で行われた国民文化祭の実行委員会の方から依頼を頂いて、新曲を書いたこともありました。

MM:どういった経緯で国民文化祭の作曲の依頼がきたのですか?

平泉:私は秋田県の出身で、高校卒業まで秋田で音楽を学んでいました。最初は、高校生のときに作曲したファンファーレを国民文化祭の開会式で演奏させてほしいという依頼でしたが、実行委員の方のお話を伺ううちに、今の自分であれば高校時代に作曲したファンファーレよりもっと良い作品が出来るのではないかと思い、新曲を書かせてもらえないかと私の方から逆提案しました。

MM:常に良いものを追い求め、相手に発信するのはとても大事な姿勢ですよね。実行委員の方とは、以前からお知り合いだったのですか?

平泉:もともと実行委員のメンバーの中に私の高校時代をよく知る方がいたので、そこのご縁が大きかったと思いますが、実は数年前に秋田で開催した自分と同世代の秋田県出身の音楽家を集めたコンサートが実行委員の方と再びつながるきっかけになったと思います。秋田県出身の音楽家はあまり多くないので、皆でまとまってやればいいものが出来るのではないかという気持ちで開催していたものでした。

MM:色々な音楽活動が次のチャンスに繋がっていくのですね。入試センターのお仕事も音楽活動も多忙を極める平泉さんですが、1週間のスケジュールはどうなっているのですか?

平泉:基本的に入試センターの仕事は月~金までの5日間で土日がお休みです。19時か20時には帰宅して、21時以降は作曲の時間・・・に出来るのが理想ですが、入試センターは繁閑の時期に差があるので繁忙期は土日出勤だったり、残業があることも多いです。入試センターの仕事が忙しいときは、1ヶ月や2ヶ月などある程度の期間の中で仕事と音楽活動のバランスをとるようにしています。

MM:本当に、お忙しくいらっしゃるのですね!仕事と音楽活動の両立を続けるために意識されていることはありますか?

平泉:基本は仕事(入試センター)だと思っています。現在、音楽の仕事が必ずしも安定しているわけではないので、それならば自分が頂けている環境に対して一生懸命努力し貢献すべきです。作編曲については、入試センターの仕事がない時間や、仕事の合間の隙間時間などをうまく使うように意識しています。たとえば、仕事で出張する際の新幹線での移動中は、頭の中で音楽をイメージして新曲の構成をすることもあります。そしてそこで固まったイメージを休日に集中して楽譜に起こす作業をしています。隙間時間を有効に使う意識さえ持てれば、結構時間ってあるのかな!?と思いますよ。

MM:とてもハードな両立生活のはずなのに、お仕事の話のときも音楽の話をする時も、本当に活き活きとされていらっしゃいますね。仕事と音楽活動を両立していくスタイルはいつ頃に出会われたのですか?

平泉:大学生4年生のときですね。それこそパソナ ミュージックメイトの取り組みを大学の先生から教えていただいたことがきっかけでした。大学を卒業してすぐに自分の望む作曲だけでは食べていけないと思ったので、何か仕事をしないとなぁと漠然と考えていた時期に、パソナ ミュージックメイトの「Wキャリア」という働き方を知り、自分も“仕事が出来る作曲家”になりたいと思いました。

MM:実際に、今仕事と音楽活動の両立をされてみていかがですか?

平泉:予想以上に大変ですね。けれど、大変なだけで“出来ない”わけではないと思っています。

MM:平泉さんは一見温和そうに見えますが、実はとても熱いお人柄ですよね。パソナ時代に、「自分がやりたいことがあるのなら、徹夜をしてでもやるべきだ」って叱咤激励されたのを思い出しました。

平泉:そんなことを・・・(笑)失礼致しました。

MM:(笑)いいえ。その言葉を聞いた時、私はとても感動して、自分自身の音楽に対する姿勢を見直したんです。話は変わって、そんなWキャリアという働き方をするために、学生時代に準備したことがあれば教えてください。

平泉:そうですね・・・・。一般大学の方と音楽大学に通う自分との「違い」については常に意識していました。パソナ ミュージックメイトの採用試験も、筆記試験があって、面接があって・・・という一般企業と似た選考フローですよね。音楽大学を卒業する自分が持っている、一般の社会でも通用するスキルや経験は何だろうとか、音楽大学だからこそ学べたことは何だろうということを考えながら、自身の強みやPRポイントを探りました。

MM:素晴らしい考え方ですね! ともすると、音楽大学の学生さんは一般大学の方と違う経験をしていることをネガティブに捉えてしまうことが多いと思うんです。私は音楽しかやってこなかったから・・・とか、経済のことはわからないし・・・なんて。平泉さんは、普段から物事をポジティブに捉える方ですか?

平泉:いやいや、昔はネガティブに考えがちでしたよ。たぶん、普通の人以上にネガティブ思考だったのではないかと。

MM:意外です・・・!(パソナ時代からポジティブな印象だったので)では、ネガティブ思考だった平泉さんが、ボジティブ思考に変わられたきっかけはあったのですか?

平泉:実は・・・、大学2年~3年の頃に精神的に弱かった時期があったんです。作曲は自分1人で音楽と向き合い続ける作業が続きますから、気持ちが行き詰ってしまったんですね。そんな時、僕の状況を知ったある方から「君の精神はまったく問題ない。こうしなければいけない、こうあるべきだという先入観なんて存在しないよ」と言われたんです。その時に急に目の前が開けたような感覚を受けましたね。そうか、僕は自分自身の先入観に囚われるあまり、一方向の考えのみで自分を追い詰めていたのだと。そこから、物事を考える時は“自分ではない目線”を持つ必要を感じ、出来るだけ客観的に俯瞰して見るということを意識しました。主観ってすごくひとりよがりになってしまうことがありますけど、友人のことであれば「そんなつまらないことで気にすんなよ」って前向きに言えるじゃないですか。その“友人目線”を自分自身にも置き換えられることが“客観的に自分を見る”ということだと思います。そうすることで、物事を悲観的に捉える傾向が減ったので、周りの方にはポジティブに映るのかもしれません。

MM:そんなご苦労があったのですね・・・!けれど、音楽と真摯に向き合っていらっしゃる平泉さんならではのご経験ですね。音大生の方の中にはこの先入観に悩まされている方は結構多いのではと思いますので、本日お話し頂けて嬉しいです。また、私自身が大変勉強させて頂きました!

音大生のキャリア紹介:平泉奏さん②に続く。(次回は、大学在学中に意識したことや社会人になってから受けた作曲コンクールについてのお話しをお届けいたします。)
 

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大学職員としてのお仕事風景♪

 

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秋田国民文化祭の新聞掲載記事♪

 

 


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