音大生のキャリア紹介:ピアニスト M.Nさん

【写真】中司麻希子様_編2大阪教育大学教育学部教養学科芸術専攻音楽コース卒業。京都フランス音楽アカデミー、JML音楽研究所、アンサンブル・モデルンアカデミーにて研鑽を積む。フランス音楽コンクール第1 位、神戸芸術センター記念ピアノコンクール金賞他受賞歴多数。ポーランド国立クラクフ室内管弦楽団と共演。関西日仏学館長の招待により初リサイタルを開催以来、世田谷美術館、日本演奏連盟、日本芸術センターの各主催等でリサイタルを開催。シリーズコンサートや写真家とのコラボレーションコンサート、アーティストとのコンテンポラリーな協働舞台製作、映画に参加等、様々な演奏活動を展開。

ミュージックメイト(以下MM):本日はお時間を頂き、ありがとうございます。Nさんには私が新入社員のときからお世話になっているので、本日のインタビューをご快諾頂き、大変嬉しいです!

Nさん:ありがとうございます。本日はどうぞ宜しくお願いいたします。

MM:早速ですが、現在の演奏活動についてお伺いさせて下さい。

Nさん:今はシリーズコンサートを年2本企画・出演しているのと、その他に企画段階のリサイタルがあります。

MM:シリーズもの、というとどんなコンサートなのでしょうか?

Nさん:1本はドビュッシーシリーズです。2018年にドビュッシーが没後100年を迎えますので、2018年に作品が完結できるよう生誕150年の2012年から毎年コンサートを開催しています。演奏は友人・知人にも手伝ってもらいながら、けれどコンサートの企画や運営は1人でとりまとめて行っています。

MM:コンサートの企画から、会場手配、ツール準備、PR・集客活動・・・など全てお1人で・・・!?

Nさん:発起人なので、基本的に中心となってやっています(笑)。仕切るのは本当に大変ですが、ドビュッシーは私が音楽を続けたいと思ったきっかけになった人で、自分にとって重要な作曲家なんです。自分のやりたいことがはっきりしている以上、最初から最後までちゃんと自分で把握し、向き合いたいなと思いまして。

MM:なんだか耳が痛いです・・・。

Nさん:一般の方にもお越し頂きたいので、雑誌や新聞に広告を出して、それによってどれだけ効果が出たかも分析するようにしています。

MM:効果の測定まで!すごいです。

Nさん:もう1本のコンサートシリーズは、地域での音楽普及活動で出会ったピアニスト4名で行っているもので、こちらも毎年開催しています。

MM:大学ご卒業後に、一緒に演奏会できる仲間とめぐり合えるって、素敵ですね。

Nさん:とはいえ、年齢や演奏スタイル、バックグラウンドもまったく違う4人なんです。共通しているのはクラシック音楽を勉強していることくらい。でも、キャラクターが違う4人だからこそ、同じピアノでもおもしろいかも!?と思っています。

MM:なるほど!

Nさん:ただし、コンサートの核となるテーマは4人の中でしっかりと共有するようにしています。テーマをぶらさずにそれぞれの曲を盛り込むことで、お客様がより多くの作品に触れる機会を提供できればと考えています。

MM:しっかりとした戦略の中で進めていらっしゃるのですね。ちなみに、Nさんは学生時代どんな生徒さんだったんですか?

Nさん:異質だったと思います(笑)。最低限の課題以外は、自分の弾きたいと思った曲しかやらない学生でした。

MM:(笑)意外です。

Nさん:私が入ったのは教育大学でしたので、幅広い知識を学べる反面、音楽にどっぷりという環境ではなかったんですね。そんな中、自分自身の発表の場が欲しくて、コンクールを受験していました。

MM:発表の場として・・・?

Nさん:コンクールって入賞したらどこかのホールでリサイタルできる、とか特典がありますよね。自分で色々と調べて、そういった演奏特典があるコンクールによくチャレンジしていました。

MM:すごい!

Nさん:でも、評価うんぬんよりも、自分の創り上げたものを聴いてもらいたい気持ちが強かったので、変わった曲ばかり弾いていましたね。もの凄――く地味な曲を弾いたこともあります(笑)。華やかでテクニカルな曲を弾く学生さんが多い中、「私はこんな素敵な曲を見つけたけれど、皆さん知ってます!?」という気持ちで望んでいました。

MM:人と競う場ではなく、自分自身の努力を見てもらう場というのは、本来コンクールがあるべき姿ですね。「皆さん知ってます!?」というスタイルもおもしろいです。Nさんは曲選びをとても大事にされている印象ですが、プログラムを大切にするきっかけはあったのでしょうか?

Nさん:きっかけは、大学卒業後に初めて外部の方からお話を頂いたソロリサイタルですね。フランスの団体の方だったのですが、とあるコンサートで私の演奏を聴いて下さって、直接オファーしてくださったんです。

MM:すごい。大学時代から地道に演奏機会を創り上げていった成果ですね。

Nさん:とても嬉しかったです。・・・が、リサイタルのプログラムは全て向こうの方に決められてしまったんです。

MM:なんと(笑)

Nさん:私のレパートリーを送ったら、ではこの曲とこの曲をこの順番で、と。準備期間も2ヶ月しかない。もちろんあまり弾きたくない曲や、新曲もありました。でも、初めて頂いたリサイタルのお話でしたので何とか形にしたくて。死に物狂いで練習しました。

MM:演奏順まで主催者側が決めるって、演奏者としてはなんともハードですね・・・!

Nさん:本当に。何とか本番を乗り越えようと必死でした。でも、本番終了後、来ていただいたお客様からプログラムを褒められたんです。

MM:え・・・!

Nさん:きっとフランスの方独特の感性が、プログラムに反映されていたのでしょうね。「この曲のあとにこの曲を持ってくるって考え付かなかったけど、素敵だったわ!」って。この時にプログラミングの重要性を知りました。それ以来、曲選びの際は、コンサート全体の流れを考えて、1曲1曲にしっかりと意味づけを持てるよう気をつけています。

MM:思わぬアクシデントが、勉強のきっかけになったのですね。
お話を伺う中で、Nさんは“ご自身を客観的に分析して、戦略を立てる力”に非常に長けていらっしゃるように思います。ご自身では、ご自分をどのように分析されていらっしゃいますか?

Nさん:そうですね・・・。私はわりと理解するまでに時間がかかるタイプだと思っています。一度自分の中で納得できれば、忘れることはないのですが・・・。深く考えるという点では、曲分析は好きですね。何時間でもやっていられますし、演奏もわりと職人気質かも。ただ、考えすぎて「石橋を叩きすぎる」ときもありますね。

MM:すごくわかります(笑)。石橋を叩き過ぎないように気をつけていらっしゃることはありますか?

Nさん:とにかく“行動を起こす”ことを心がけています。自分の中でいくら深く考えていても、ちゃんと発信しなければ考えていない人と同じですものね。自分の中でもういい!と思えるまで考えつくした後は、エイッと行動を起こすようには意識しています。

MM:ご自身の性格傾向もきちんと把握された上で、行動を管理されているのですね。演奏家を目指す上で、学生のうちにやっておいた方がいいことはありますか?

Nさん:自分とは違うジャンルの世界をたくさん見ておいた方が良いと思います。色々なモノの見方や考え方を学んで自分の内面を豊かにするのは大切なことです。“表現する”って、その人の中身を出すことですから。

MM:本当に、その通りですね。最後になりますが、学生の皆様へ何かメッセージをお願い出来ますでしょうか?

Nさん:学生のうちに、「自分って何?」ということを考えてみて下さい。自分はなぜ音楽をやっているのか、自分にとっての音楽とは何か。どう向き合ってどのように進めていくのか。もしかしたら音楽ではなく、別の生き方が見つかることもあるかもしれませんが、その時はそれで良いと思います。やり直しはいつからでもききます。まずは、今自分が置かれている状況をちゃんと理解し、ごまかさないでいること。そうすることで道は開けていくと思います。

MM:心温まるアドバイスをありがとうございます。私自身も、Nさんのお話を心に刻み、今後も邁進してまいりたいと思います。本日はお忙しい中、誠にありがとうございました。

Nさん:ありがとうございました。

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★M.Nさんのご活躍は、下記でもご覧いただけます★

公式HP http://www.m-nakatsukasa.com/

YouTube  https://www.youtube.com/user/MakikoNakatsukasa

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演奏写真

M.Nさん演奏のご様子♪

【写真】チラシ_中司様

M.Nさん演奏のご様子♪


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