気楽に、気長に、しかし真摯に自分のキャリアを考えるために

自分自身の“キャリア”について、考えることはありますか?
演奏家としての自分、もしくは別の仕事をしている自分、家族を持った自分、両親を支える自分・・・をイメージできるでしょうか?

この“キャリア”について不安に感じるのは、もはや音楽家に限った話ではありません。ITやロボットの発達により世界が大きく変化していく中、働き方も多様化し、今ある仕事が10年後にも同様に存在するかの保証はない時代だからです。

今や確信を持ってキャリアに挑むような時代ではなく、先が見えない中でも自分なりに将来を予測し、自身のキャリアのために直向きに準備していかなければいけません。私も日々模索している身ではありますが、自戒も込めて、キャリアを考える際に意識していることを書きたいと思います。

 

1.「私らしさ」にとらわれない


先日、ある起業家の方から“人は自分の好きなものについて、『なぜ』それが好きなのか、その本当の理由は自分自身でも理解できていないのだ”という話を聞きました。人の思考には「意識」と「無意識」があります。私たちが日々“意識できていること”は実は思考全体の氷山の一角であり、私たちの思考や行動のほとんどはその下に隠されている「無意識」によって決定されているのだそうです。自分の趣向ですら、その明確な理由を把握できない私たちが、“自分らしさ”を真に理解するというのは、何とも不毛な挑戦だと思いませんか。おそらく「私らしさ」というのは、自分が行動した後に結果的に他人がどう見てくれたのか、という話で、自分自身がそれを意識して行動するというのは何か違うと思うのです。これからの長いキャリアについて、今から“私らしさ”を問うのではなく、まずは自分が“やりたい”と感じている気持ちにしっかりと向き合うべきだと思います。

 

2.自分を主語にして考える


現代に生きる私たちは忙しく、私たちの周りには「できない」言い訳になる要素がたくさんあります。“仕事”があるから、“家族”がいるから、“時間”がない、“お金”がない、“体力”がない・・・。でも、これっておかしいですよね。“やってみたい”と思っているのは“私”なのに、出来ない理由の主語は私ではなくなるのです。言い換えるならば、「やってみたいけれど仕事が忙しくて出来ません」ではなく、「やってみたいけれど、今の私は仕事を優先したいので出来ません」であるべきです。そして、仕事を全うする、家庭を大切にする、経済的な自立を優先することは、本来どれもとても大事なことで、言い訳の対象にするようなことではありません。自分のキャリアを語る上では、自分の考えに自信を持って、いつでも“自身の意志”で今を選択している意識を持ちたいと思います。

 

3.「今しかできない」を優先する


ただし、窮屈なのは私たちの“時間”は有限だということです。1日24時間しかなく、平日であれば、そこから睡眠時間、学校の授業または仕事、食事や入浴などの時間がなくなるわけですから、本当に自由に使える時間は1日3時間取れれば花マルではないでしょうか。そういう意味では、時に私たちはやりたいことを“取捨選択”する必要があります。そんな時、私は「今しかできない」ことを優先するようにしています。たとえば、社会人人生においてビジネスマナー研修の機会が豊富にあるのは新卒のタイミングですし、音楽コンクールにおいては受験資格に年齢制限が設けられている場合もあります。自分にとって重要な選択肢の中でも、さらに「今しか挑戦できないもの」は何か。迷ったときは先延ばしにできないものから選ぶようにしています。

 

4.スモールスタートでも「やってみる」


最後に、今の時代だからこそ、何かアイデアが思い浮かんだら(そして、それをいつか形にしてみたいと願うなら)、まずは「やってみる」意識が大事だと思います。今やSNSで個人を検索でき、会う前にその人の実績の裏付けが取れてしまう時代です。裏を返せば、SNSを通じて個人の実績が発信できるようになったからこそ、その発信が人と人(場合によっては人と企業)との関係を繋げるきっかけになり得るということです。まずはスモールスタートで良いので、今日出来ることからやってみましょう。(もちろん、最初はSNSでの発信を考える必要はありません)まずはやってみて、楽しいと感じるならばその行動を続けてみましょう。その行動が続くようなら、きっとそれは“自分に合っている”ということで、またそれが自然と自身の“実績”になっていくと思います。小さな行動が続けられるようになったとき、できるようならSNSで発信すると完璧ですね。

 

自分のキャリアや目標に迷ってしまうことは誰でもありますが、それでもキャリアは自分で決めるしかありません。自分の気持ちに向き合って、行動してみるしか道はないと思います。

世界屈指のクラシックホールを持つサントリーグループさんの「やってみなはれ」の精神ではないですが、気になることがあるならまず行動してみることで、自身のキャリアについてもより具体的に考えることができるようになるのではと思います。

 


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